吉井 淳(43) 川西仁田
兵庫県が出身という吉井さんが就農したきっかけは、新潟市で働いていた20代の頃にまで遡ります。
職場の同僚がまちづくりの一環で立ち上げた『農家と交流するグループ』に誘われ参加、そこで出会った豊栄の農家さんの姿に感銘を受け、頑張った成果が目に見える農業という職に憧れを抱きます。その後、現在の奥様との出会いの中で十日町に移住し、就農するために鐙坂で2年間の研修が始まりました。
それから5年が経ち、現在は川西で稲作と園芸品目を含む複合農業を経営しています。2町5反の田んぼと、カルビタトマトに、カボチャ、ナス、コリンキーなど多くの野菜を栽培しています。
この日は朝からコリンキーの収穫が行われ、ご近所のお母さんたちが出荷品の箱詰めを手伝う姿も。
「就農した頃から近所の方には本当にお世話になっていて、先輩農家さんやお母さん方、地域の人に助けていただいて成り立っています」と話す吉井さん。
複合農業は時間も体力も厳しく大変ですが、収穫の喜びや食べた人の「おいしい!」という声が聞けることを励みに就農6年目がやってきました。
「田んぼがおろそかにならないように園芸品目の栽培を工夫して拡大し、環境保全を意識した農業をすすめていきたいです。JAでも大学機関などと一緒になって雪国ならではの品質向上の研究などを行ってほしいですね。個々に合わせた栽培指導にも期待しています」と想いを話す吉井さん。
地域と深く関わり、この土地ならではの農業を追及する姿はまさに十日町の農業人です。
2017.8月号