今月の農業人

苺の香りを十日町に ~家族一丸となって~

中条  宮内 (たか)(より)さん (36)

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新潟県農業大学校を卒業後20歳で就農し、実家の花水農産を継いだ隆和さん。

小学生の頃から稲の苗づくりなどを手伝い、家族みんなで農作業をすることに楽しさを感じ、中学生の頃には農業の道へ進むことを決めていたといいます。


「家族や親せきみんなでワイワイ集まって農作業をすることが楽しかった思い出があります。父親からも『農業はつらいんだぞ、大変なんだぞ』と教えられたこともなく、体験することでみんなで協力する楽しさを教えてくれたんだと思います」


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家族みんなで育てた作物を収穫し、食べる。

子どもの頃からそれが当たり前で、いつもそばに『農業』があった隆和さんが農業を始めることは必然だったようです。

就農してすぐに農業大学校で勉強した苺のハウス栽培を市内で初めて行い、今年で17年目になります。

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現在は3棟のビニールハウスで苺(越後姫)を育て、年間7tもの苺を出荷しています。

12月~6月まで収穫できる苺は米農家の複合農業にもピッタリで、『越後姫』の他に県内でも珍しい『フレグランスピーチ』の栽培にも力を入れています。


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苺は日々の管理で味が変わるため、ハウスの中の温度や湿度、花粉を運んでくれるミツバチの飼育までを管理しなくてはなりません。


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「苺は自分の管理がすべてなので、そこにやりがいがあり、自分に合っていてとてもおもしろい。今後は他にはない付加価値の高い苺を作りたい」
と意欲を語り、日々勉強を重ねています。


そんな隆和さんのことを父・賢一さんは、

「苺栽培の先駆者として頑張ってくれ、今では自分の右腕となり頼りになる存在。息子が農業を継いでくれてよかった」とどこか誇らしげに話してくれました。

「就農前に息子は体を壊し、心配したが、ちょうど身体への負担の少ない苺栽培と出会った。それは運が良かったかな。農業は『創意工夫』。もちろん他の仕事と同じように苦労もあるけど、自ら楽しまなきゃできない。これからも楽しんで仕事をしてほしい」

と隆和さんをいつも陰から支えています。

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父の農業の想いをしっかりと受け継ぎ、今ではJA十日町青年部の役員にも選ばれ若手農家グループを引っ張っていく存在となった隆和さん。


「農家としては楽しく過ごせているけれど、経営者としてはこれから会社をどう経営していくか、
十日町の農業をどう盛り上げていくか、など課題が沢山あります。
今後も若い人への雇用を生みだしたり、次の世代を育てていきたい。地域に貢献する会社でありたいです」

と想いを語ってくれました。


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農業=楽しい


子どもの頃父から教わった農業の楽しさ―。

実家で就農し苺栽培を始めてからは、隆和さんが父・賢一さんに苺の栽培を教えることもあるとか。



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「せがれと2人で一緒に写真撮るなんて初めてだなぁ」と照れる賢一さんでしたが、
そう話す顔はどこか嬉しそうでした。


家族一丸となって農業を繋いでいくその姿は、十日町の農業の理想の形ではないでしょうか。

                                    広報誌とかちゃん 2019.5月号掲載

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