会長コラム ~Trivia Tweet~

スマート農業 その4

[2023.08.07]

7月22日の梅雨明けから連日暑い日が続いています。

最近の暑い日は気温35℃越えの猛暑日をさすようになっていますが、暑い日が30℃越えの真夏日だったのは何年前のことでしょうか。
とにかく日差しも強いですから、屋外作業は十分気をつけてください。


さて、スマート農業の話も4回目となりましたので、今日は二つの事柄について考えてみます。


始めに気象と農業の関係は切っても切れない事は皆様ご存じのとおり。それは、気温、日照、降雨は植物の生育に大きく影響を与えるからですね。
では畜産、酪農、養鶏はどうかと言うと、気温による影響を強く受けます。人が夏バテするのと同じで、動物にも快適温度があり、暑くなると食欲減退で増体が鈍りますし、酪農では乳量が減少、採卵鶏では採卵率が下がります。

では、気象予報で向こう3ヶ月予報が正確に出来るとなったら、皆さん、どうしますか?
稲作では穂肥追肥の時期と量を把握できますし、品種にもよりますが田植え時期の設定も可能となると考えています。

主力品種のコシヒカリの場合、本年を例として考えると、梅雨時期は日照も少なく草丈が延びやすくて溝切り中干しも長雨の影響から溝が埋まったりで生育ムラも見られています。また、梅雨明けから一転して晴れが続き、気温も30℃越えの日が続いています。
これらの現象は6月中旬から始まっていますので、3ヶ月予報では4月発表に該当しますね。
そうなると、「元肥は控えめで生育を抑制し、穂肥は適期に2回、出穂前に高温対策として色落ち防止の3回目の穂肥を行う。」、と言う計画を春の段階で設定できますし、微妙ではありますが播種と田植え時期を遅らせて出穂を8月10日ころとすることも可能と考えます。
次に今年は収穫時期も早まりそうなので、出穂以降の日照と気温、また、降水量についても事前に分かることで収穫計画が立てられます。


二つ目は収穫時期のスマート農業についてです。

多くの田んぼを管理していると、どの田んぼが収穫適期なのか、判断に迷うことが多々あると思います。
また、田んぼ毎の収穫適期が分かっても移動時間や作業受託の都合もありますので、多くの場合田植えの順番に収穫作業を行う事となるようです。
品質と食味、更に収穫量の適期を判定する事が出来れば最高ですね。
田んぼ毎に出穂日を確認するのも手間なので、ここは一発ドローンによるリモートセンシングを活用するようになれば良いですね。
それと、収穫量コンバインが各社から販売されています。
コンバインによる測定データは収穫量が一般的ですが、クボタ農機では食味も計測します。
このデータをマップ化した田んぼに写すことで、田んぼ内の生育ムラが見える化され、次年度に可変施肥の元データとして可変施肥を行い、これを数年繰り返して均一な生育が可能となり高収穫量と良食味の両立が実現します。

注 可変施肥田植機でも田んぼ毎の食味データを取ることで、収穫量コンバインと同等の効果が得られます。


暑すぎる今日この頃、早いところでは穂揃い期を迎えていいます。
稲が夏バテして小粒化することとシラタが増える事が心配されますので、飽水管理の徹底をお願いします。


今日はここまで。

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